私が小学生のとき、ピンポンダッシュというのが流行った。通学路にあるアパートなんかが恰好のターゲットで、そのアパートの各戸でピンポンを押しながらは走って逃げた。よく友達と、どちらが多くバレずにピンポンダッシュできるか争ったものだ。私は逃げ足が速い方だったので、いつも友人に勝利していたことが懐かしい。そんな遊びになれてしまうと、もう普通の遊びでは物足りなくなってしまい、スリリングな遊びを好むようになった。そしてそんな遊びの流れから、私は中学時代から荒れてしまった。クソガキがヤンキーに進化したのである。高校に入るとヤンキーというものが廃れてしまったので、今度はギャルに転身したが、リスキーな遊びを好むのは相変わらずだった。

二十歳を過ぎた頃から仲間も落ち着き始めたので、私も同じように落ち着いていったと思う。そして今、夫と結婚し、二人の子供に恵まれた。相変わらず派手な恰好が好きだけど、一応母親はちゃんとやっているつもりだ。子供のために早起きしてキャラ弁を作るし、通園バッグだってちゃんと手作りだし、PTAの行事だって欠かさず参加している。

だけど今どんなに真面目になったって、自分のしたことは帰ってくるものなんだな、と私は玄関の前で妙に納得していた。今日幼稚園のお迎えから帰ってきたら、鍵穴にイタズラされていたのだ。なんとガムで穴を塞がれてしまっているのである。これはクソガキの仕業か?それともヤンキー?ギャル?わからないけど、とりあえずコレを取り除くのが先だ。ティッシュやら雑巾やら爪楊枝やらを使って、ようやく鍵を回せる状態になったけれど、鍵にねばねばしたものがついて気持ち悪いし、ミント系の匂いがするのも吐き気がする。悔しいけれど、鍵は交換しなくちゃダメだろう。

昔の報いかもしれないけれど、それにしてもちょっと悪質すぎる。ピンポンダッシュくらいだったら笑って許せるのだけど。