私が結婚したばかりの頃から、中国人窃盗団による犯罪が多発しはじめ、世間を騒がせていた。手口が荒っぽくて、居合わせると命の危険にもさらされるというニュースを耳にするたびに怯えたものだ。一見安全そうなマンションの最上階にも屋上から侵入するとか、中層階でも電柱や排水管を利用して侵入するとか、どこに住んでいても安心はできないのだなと恐ろしくなった。うちは一戸建てを購入したので、侵入経路はマンションよりもたくさんある。防犯のために色々手を尽くしても、もし本気でそういうやつらに狙われてしまったら、うちなんかひとたまりもないだろう。とはいえ、うちに本気が向かないためにも、こいつんちに入るの面倒くさそうだな、と思わせることがまずは大事だ。

引き渡しのときにもらった鍵はディンプルキーというもので、ピッキングされにくいものなんだそうだ。それを聞いて少しは安心したけれど、まだまだ油断はできない。ディンプルキーだけじゃ安心できなかったので、私は色々工夫を凝らすことにした。

例えば家の周りの砂利を防犯用のものにしたことだ。普通の砂利より値段は張るが、被害にあったときの大きさを思えば安い物だ。敷地に直接まくよりも、先に雑草防止シートを敷いてからまく方が、雑草も生えにくいし、砂利も沈まないのでオススメである。

それから窓には防犯フィルムを貼り、でかでかとしたステッカーも貼った。ただ二階の窓は手薄なので、敷地内に足場になるようなものは置かないようにもした。実家から使わなくなった自転車を貰い、あえて敷地内に置くことで、不在中には見えないような工夫もした。これだけやっても、私はまだ満足することはできない。本当なら警備会社にお願いして防犯カメラなども設置したいところだけど、あまり防犯にばかりお金はかけられないので、できる範囲で少しずつ、防犯対策を増やしていけたらと思っている。